20年後のソフトウェアテストの話をしよう accepted

Abstract

ソフトウェア開発においてテストはとても重要で、継続的インテグレーション(Continuous Integration:CI)やテスト駆動開発(Test Driven Development:TDD)といった、開発とテストに関するベストプラクティスもまとめられています。元来、ソフトウェアは、スタンドアロンまたは複数台で構成されたのコンピュータ上の環境で動作することが前提となっていたため、境界値テストや負荷テストなどを比較的容易に実施することができました。しかし、近年では、センサやアクチュエータを通じて情報のやり取りを行うInternet of Things(IoT)や、表示を物理空間へ重畳するAugmented Reality(AR)のように、コンピュータ上に閉じずに物理空間とのインタラクションを行うソフトウェアも増えています。それと同時にソフトウェアテストに求められる要件も多種多様になっていき、これからの時代にはますます増えていくでしょう。

さまざまな条件でテストを行うためのツールも研究レベルで検討が進められています。古くは、コンピュータグラフィクスで構築された仮想環境をソフトウェアテストに用いるUBIWISE[1]という、デジタルカメラでのバーコード読み取りテストなどを行うことができる事例が2002年に示されました。また、モバイルアプリケーションでセンサデータを使ったテストを行うために、シミュレーションやデータベースのデータをセンサへの入力値として用いるContextMonkey[2]や、実機やエミュレータで取得したデータを記録してリプレイするツールTestAWARE[3]などがあります。Microsoft Researchが開発したAirSim[4]のように、自動運転車の開発とテストのためにUnityやUnreal Engineといったゲームエンジンで構築したシミュレータを用いる事例も増えています。Kinectを用いた開発支援のために人間の代わりに人形がポーズをとるKinect Dollという事例もあります。また、私達は、Bluetooth Low Energy (BLE)アプリケーション検証基盤AOBAKO[5]を開発しました。これは、実機と現地調査が必要なBLEビーコンを用いたアプリケーションの検証を、机上で行うことを可能にするシステムのプロトタイプ実装です。

本発表では、ソフトウェアが関係する空間が拡大していく時代の流れのなかで、技術予想がかろうじてできそうな20年後に向けてソフトウェアテストがどうなっていくのか、最新の研究事例を交えながらお話ししていこうと思います。

話したいこと

  • 未来のソフトウェアテストについて考えるきっかけになる話題
  • 20年後に普及していそうな技術 (VR、透過型HMD、自動運転車など)
  • 仮想環境(シミュレーションやコンピュータグラフィクス等)を活用したソフトウェアテスト研究の事例

話さないこと

  • ソフトウェアテストの体系的な話
  • ソフトウェアテストの理論的な話

補足

私の現在の職業は研究者で、仕事でコーディングをする機会は多いものの、ソフトウェア開発をバリバリする場からはもう5年以上遠ざかっています。「ソフトウェア開発の現場を知らない研究者が何を話すんだ?」と思うかもしれませんが、まさにそれが私がBuildersconで話したいと思った動機で、現場の開発者が現在テストに関して困っていることやどういうツールを駆使しているかを知りたいと思っています。この発表が議論や意見交換をはじめるきっかけになればよいなと思っています。

参考文献

[1] BARTON, John J.; VIJAYARAGHAVAN, Vikram. Ubiwise, a ubiquitous wireless infrastructure simulation environment. HP Labs, 2002.
[2] REGE, Manoj R.; HANDZISKI, Vlado; WOLISZ, Adam. Realistic context generation for mobile app testing and performance evaluation. In: 2017 IEEE International Conference on Pervasive Computing and Communications (PerCom). IEEE, 2017. p. 297-308.
[3] LUO, Chu, et al. TestAWARE: a laboratory-oriented testing tool for mobile context-aware applications. Proceedings of the ACM on Interactive, Mobile, Wearable and Ubiquitous Technologies, 2017, 1.3: 80.
[4] SHAH, Shital, et al. Airsim: High-fidelity visual and physical simulation for autonomous vehicles. In: Field and service robotics. Springer, Cham, 2018. p. 621-635.
[5] YUMURA, Tsubasa, et al. AOBAKO: A Testbed for Context-Aware Applications with Physicalizing Virtual Beacons. In: Proceedings of the 2018 ACM International Joint Conference and 2018 International Symposium on Pervasive and Ubiquitous Computing and Wearable Computers. ACM, 2018. p. 476-479.

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Session Information
Confirmed confirmed
Starts On 8/31/19, 2:10 PM
Room Centennial Hall B
Session Duration 50 min session
Spoken Language Japanese
Interpretation Unavailable
Slide Language Japanese